酵素合成アミロース
Amylose (Synthetic)

酵素合成アミロースは、天然のアミロースと異なり、分子量分布が狭く分岐を持たない直鎖構造のアミロースです。

分子量の異なる標準試料を各種取り揃えています。

これまでに多くの特に分子量マーカや酵素の基質、誘導体の高分子化学的研究等の基礎的研究試薬として用いられてきました。一方、工業用途として酸素バリア性、偏光性、透明性、生分解性などの特性を持ち、高機能性フィルムの主原料他に利用が期待されています。

化学構造

酵素合成アミロースは、D-グルコースが直鎖状にα-(1→4)グリコシド結合した多糖です。 天然のアミロースと異なり、分子量分布が狭く、分岐を持たない直鎖構造のアミロースです。

 

分子量分析

 

製品仕様・価格

製品名 製品番号 内容量 Mw Mw/Mn 希望小売価格
(税込/円)
酵素合成アミロース
Amylose (Synthetic)
BAR-5K-1 1g 4,500 1.06 33,000
BAR-16K-1 1g 16,000 1.01 33,000
BAR-30K-1 1g 31,800 1.05 33,000
BAR-100K-1 1g 97,500 1.04 33,000
BAR-5K-10 10g 4,500 1.06 247,500
BAR-16K-10 10g 16,000 1.01 247,500
BAR-30K-10 10g 31,800 1.05 247,500
BAR-100K-10 10g 97,500 1.04 247,500
  • キット及び単体の分子量( MwMw/Mn )は、製造ロットにより変動します。
  • 内容量10g以上のバルクについては、別途お問い合わせ下さい。
  • 本記載の製品は、診療診断を含む医療行為、医療分野において用いるものでは有りません。
  • 記載の価格は、メーカ希望小売価格です。
  • 1回の発送に付き、2,000円の梱包・送料を頂いております。
   

応用例

酵素合成アミロースは、生分解性フィルムの素材として優れた力学的特性を発揮します。さらに酵素合成アミロースの包接機能の利用により、高度な機能性材料を作ることができます。 酵素合成アミロースは食品、医薬、化粧品、化学などの幅広い産業分野での利用が期待されます。

酵素合成アミロースの応用例 酵素合成アミロースの特長
分子量マーカ 酵素合成のため分岐がなく直鎖です。
天然のアミロースに比べ分子量分布が非常にシャープです。
分子量の異なる標準試料を各種取り揃えています。
酵素反応の基質 各種酵素 (α-アミラーゼ、β-アミラーゼ、枝作り酵素、転移酵素等)の基質特異性の研究に適しています。
キラルカラム担体 アミロース誘導体は、キラル化合物を分離する機能があります。
誘導体 アミロース誘導体化することにより、水不溶性の改善、有機溶媒可溶性、耐水性の付与、フィルム強度の向上、生分解性の制御、熱可塑性の付与ができます。
成型物
フィルム、繊維、粒子、コーティング、ゲル、スポンジ、接着剤
アミロースや、アミロース誘導体は優れた成型性を有しています。
フィルム
包装材、偏光フィルム
アミロースフィルムは、強度があり、気密性が高く、透明性が非常に高い特長があります。また、生分解性が高く、安全です。
偏光フィルム アミロースフィルムは透明度が高く、ヨウ素分子を強く包接する*ので、偏光フィルムとして利用できます。
包接機能
配向、徐放
アミロースは、様々な物質(香料、医薬品、界面活性剤、アルコールなど)を取り込むことができます。

 

* ヨウ素を包接したアミロース分子のモデル


 

参考文献

北村進一,鈴木志保,小川宏蔵 (2007):酵素合成アミロース.書名:バイオベースマテリアルの新展開.(木村良晴,小原仁実 監修) シーエムシー出版,45-51.
Shinichi Kitamura, Shiho Suzuki(2020): Linear and cyclic amyloses: Beyond natural. Recent Trends in Carbohydrate Chemistry, 1, 373-401.
DOI https://doi.org/10.1016/B978-0-12-817467-8.00010-4